コンタクトレンズの使用に眼科の定期検査(定期検診)は必要?検査の受診頻度目安など解説
コンタクトレンズユーザーの皆さん、きちんと定期検査(定期検診)を受けていますか?特に気になる症状もないし、コンタクトレンズの見え方も変わらないので、定期検査は必要ないと思っていませんか?この記事では、コンタクトレンズユーザーにおける定期検査の必要性について考えてみましょう。
作成日:2022/12/14 更新日:2026/05/28

定期検査は必要?コンタクトレンズ装用者が眼科を受診すべき理由とは
コンタクトレンズは、目に直接のせて使う「高度管理医療機器」です1)。
目に合っていないコンタクトレンズを使ったり、誤った使い方をすると、目にトラブルが起きることもあります2)。
大切な目を守り安全に装用を続けるための、定期検査の役割を確認しましょう3)。
自覚症状がなくても目のトラブルは進行していることがある
コンタクトレンズを装用していて何ら自覚症状がなく、見え方に問題がない場合でも、目にトラブルが起きていたり、トラブルのもとになる状態が発生していることがあります3)。
角膜(黒目)に小さな傷がついた場合、初期には自覚症状が乏しいことがあり、気づかずにコンタクトレンズを使い続けてしまうケースもあります。
しかし、その小さな傷から細菌などが侵入して感染を起こすと、痛みや充血、まぶしさといった症状が現れ、視力に影響が出ることもあります4)。
レンズの汚れや誤ったケアも、眼障害を招く原因の1つです。レンズに付着した汚れや微生物は、目の炎症や感染を引き起こします2)。
症状が現れてから対処するのではなく、日頃から正しい方法でケアを行い、レンズを清潔に保つことが重要です。
眼障害は早い段階では気づかないこともあり、重症化するまで放置してしまうリスクがあります。
痛みや不快感が出ていなくても、定期的な検査で目やレンズの状態を確認し、トラブルを早期発見しましょう3)5)。
眼科医による専門的なチェックを習慣にすることが、大切な目を守ることにつながります。
関連リンク:角膜感染症とは?原因や症状、コンタクトレンズ装用者が注意すべき点を解説
必要なレンズの度数は時間とともに変化する
目の状態は時間の経過とともに変化し、それに伴いコンタクトレンズの最適な度数も変わることがあります6)。
特に加齢によって、近くのものにピントを合わせる力が低下すると、近くが見えにくいなど、見え方に変化が生じます7)。
また、目の状態は生活環境の影響も受けるため、長時間のパソコン作業やスマートフォンの使用などで目に負担がかかり、見え方が変化することもあります6)。
このような変化は少しずつ進むため、自分では意外と気づきにくいものです。
度数の合っていないコンタクトレンズを使い続けると、目の疲れや見えにくさにつながるだけでなく、無理に見ようとして目にさらなる負担がかかるおそれがあります8)。
今の見え方で特に問題ないと感じていても、定期的に検査を受けることで、よりその時々の目の状態に合ったコンタクトレンズを提案してもらえる可能性があります6)。
定期検査で目の変化に応じたコンタクトレンズへの見直しを行うことで、目への負担を減らし、快適で安全な装用を継続できます6)。
肩こり・頭痛など体の不調は目に原因がある場合も
最近、肩こりや頭痛など、以前には感じなかった不調はありませんか?もしかすると、それは目の状態が変化したことによる目の疲れが原因かもしれません7)。
目が疲れる原因として、コンタクトレンズの度数があっていない、傷や汚れがついている、ドライアイ9)気味であることなどが挙げられます。
度数が合わないコンタクトレンズを使い続けると、目が無理にピント合わせをしようとして目の筋肉に過度な負担がかかります。
それが肩こりや頭痛、吐き気、イライラなど全身の不調につながることもあります7)8)。
また、ドライアイ気味で目の表面が乾くと視界がかすむので、無理に見ようとし、より疲れを増幅させることになります8)。
コンタクトレンズユーザーに限りませんが、初期の白内障や緑内障も、なんとなく目が疲れるという症状の原因となっていることがあります10)。
定期検査を受けることで、自分では気づきにくい小さな変化に早く気づくことができ、早期の対処が可能になります5)11)。

眼科を受診するタイミングの目安
コンタクトレンズの装用を続ける場合、検査は3ヵ月に1回程度が1つの目安とされていますが、適切な検査のタイミングは人により異なるため、眼科医の指示に従いましょう3)。
また、目に違和感があったら自己判断せず、すぐに受診することが大切です5)。
眼科医が示す受診タイミングとは
検査タイミングの目安は3ヵ月ごととされていますが、これはあくまで一般的な基準です3)。目の状態や装用するコンタクトレンズの種類により、適切なタイミングは異なります。
目の健康を守るために、受診のタイミングは眼科医の指示に従いましょう3)。
こんな症状が出たらすぐに眼科へ
コンタクトレンズを装用していて、次のような症状が1つでも現れたら、すぐにコンタクトレンズを外して眼科を受診しましょう2)4)。
自己判断で放置すると、重症化して視力に影響をおよぼすおそれもあります2)。
受診すべき主な症状
- 充血:結膜(白目)が赤くなるのは、炎症や感染、酸素不足の可能性があります2)4)
- かすみ・視力低下:レンズの汚れだけでなく、角膜のむくみが原因の場合もあります13)
- 目やにが増える:細菌やウイルスによる感染症が疑われます4)
- 光がまぶしい:角膜が傷ついているときや、強い炎症が起きているときに見られる症状です13)
- かゆみ・まぶたの腫れ:レンズの汚れによるアレルギー反応の可能性があります2)
これらの症状は大切なサインです。たとえ症状が軽くても、深刻なトラブルが進行しているケースもあります2)4)。
また、いつものことだからと、市販の目薬だけで済ませるのも危険です。
適切な治療が遅れると、完治までに時間がかかったり、しばらくコンタクトレンズの装用ができなくなることもあります4)。
少しでもおかしいなと感じたら、迷わず眼科を受診しましょう。早めの対応が、大切な目を守ることにつながります。
眼科の検査では何を確認するのか
眼科では、視力だけでなく、角膜や結膜など目の状態、コンタクトレンズのフィッティングなどを確認します14)。
使用中のレンズが適切かどうかをプロの目でチェックすることは、目の健康を守る上で大切です14)。
視力・度数の確認
問診では、見たい距離で見たいものがきちんと見えているか、現在の見え方に満足しているかなどを確認します14)。
視力検査では、コンタクトレンズを装用しての視力を測るだけでなく、使用中のコンタクトレンズよりさらに見やすい度数があるかなども確認します14)。
自分では気づかないうちに遠視・近視・乱視の程度などが変化し、使用中のコンタクトレンズが合わなくなっているケースがあるためです15)。
また、遠視・近視・乱視の程度などが変化していなくても、生活環境の変化などで適したコンタクトレンズの度数が変わることもあります16)。
角膜・目の状態チェック
診察では、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡という専用の機器を使い、角膜や結膜など目の状態を詳しく観察し、目に異常が無いかを確認します17)。
これにより、自覚症状が出ないような小さな傷や炎症、レンズの汚れによるアレルギー反応の有無などがわかります4)17)。
コンタクトレンズの装用を安全に続けるためには、見え方だけでなく、目自体に異常が無いかをチェックすることが欠かせません4)。

コンタクトレンズの装用状態の確認
検査では、コンタクトレンズが角膜の上に適切にのっているかという、フィッティングの状態も確認します14)。
特に乱視用や遠近両用のコンタクトレンズでは、不適切なフィッティングだとコンタクトレンズの度数が合っていても見えにくくなりやすいため、フィッティングは重要です5)。
不適切なフィッティングのコンタクトレンズを装用すると、角膜に酸素が届きにくくなり、トラブルを招くこともあります5)18)。
また、コンタクトレンズの汚れや劣化、傷の有無も確認します14)。
コンタクトレンズを安心して使い続けるために
コンタクトレンズは、適切なタイミングでの検査を習慣化することにより、安心して使い続けられます3)。
自分に合った眼科を見つけ、トラブルに気づく前の段階での検査を続けることが、目を守るためには大切です3)5)。
眼科受診前に準備しておくこと
眼科受診の際は、現在使用しているコンタクトレンズのパッケージ(外箱)や、お手元にあればコンタクトレンズ指示書(処方せん)を持参しましょう。
これらは、使用中のコンタクトレンズの情報を正しく伝えるために必要です14)。
また、ケア用品が原因で目にトラブルが起きることがあるため12)、使用中のケア用品について聞かれることがあります。商品名を正しく伝えられるようにしておきましょう。
検査の内容によってはコンタクトレンズを外す必要があるため、替えのコンタクトレンズや眼鏡、保存ケースを持参すると安心です。
受診時にコンタクトレンズを外すタイミングについては、スタッフの指示に従いましょう14)。
眼科でよく確認されること
検査をスムーズに進めるために、日頃のレンズの使用状況を整理しておきましょう。
問診では、1日の平均的な装用時間や、コンタクトレンズのケア方法について確認されることがあります14)。
自覚症状があれば、「どちらの目に、いつから、どのような症状があるのか、その症状は段々悪化しているのか」を伝えられるようにしておきましょう。
自分では些細だと感じる変化も、トラブルを早期発見するための重要な情報となることがあります14)。
近くを見るときに、特定の距離で見えにくさを感じる場合は、具体的な距離を測っておきましょう。
見えにくさ解消のためにコンタクトレンズの度数を調整する場合、見えにくい距離によって適切なコンタクトレンズの度数は異なります8)。
まとめ
コンタクトレンズを安全に使い続けるために、以下のポイントを意識しましょう。
- 医師の指示に従ったタイミングでの検査を習慣化し、自分では気づかないトラブルを早期発見する3)19)
- 正しい装用時間とケア方法を守る19)
- 違和感があったりトラブルに気づいたら、すぐに眼科を受診する3)20)
定期検査は、目の健康を守るのに欠かせません。正しく使って、快適なコンタクトレンズライフを送りましょう3)19)。
<参考資料>
1)医薬品医療機器総合機構(PMDA):コンタクトレンズについて教えてください
https://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-devices/qa/0015.html
2)一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会:コンタクトレンズによる目の病気
https://www.jcla.gr.jp/safely/disease.html
3)医薬品医療機器総合機構(PMDA):眼科で、コンタクトレンズの使用中は、定期的に検査を受ける必要があると指導を受けましたが、なぜでしょうかhttps://www.pmda.go.jp/safety/consultation-for-patients/on-devices/qa/0002.html
4)公益社団法人 日本眼科医会:防ごう目のトラブル!!コンタクトレンズの眼合併症
https://www.gankaikai.or.jp/health/62/index.html
5)公益社団法人 日本眼科医会:コンタクトレンズ関連情報
https://www.gankaikai.or.jp/contact-lens/
6)日本視覚学会(J-STAGE):コンタクトレンズ 一般コンタクトレンズの進化と未来
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjvissci/42/4/42_42.80/_html/-char/ja
7)日本老視学会:老視とは
https://www.rousi.jp/general
8)日本視覚学会(J-STAGE):VDT時代における低加入度数コンタクトレンズ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjvissci/43/2/43_43.48/_html/-char/ja
9)日本眼科学会:ドライアイ
https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=9
10)公益社団法人 日本眼科医会:40歳からはじめたい アイフレイル(目の老化)対策
https://www.gankaikai.or.jp/health/64/index.html
11)臨床眼科:モノビジョン矯正でソフトコンタクトレンズの使用度数が漸減し眼精疲労が改善した3症例
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1410211486
12)一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会:ケア用品について
https://www.jcla.gr.jp/contactlens/care.html
13)公益社団法人 日本眼科医会:コンタクトレンズ眼障害 放置すると失明の可能性も
https://www.gankaikai.or.jp/press/pdf/2004.pdf
14)一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会:コンタクトレンズの使用方法について
https://www.jcla.gr.jp/contactlens/howtouse.html
15)臨床眼科:モノビジョン矯正でソフトコンタクトレンズの使用度数が漸減し眼精疲労が改善した3症例
https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1410211486
16)横浜市立大学:近視や遠視の進行を対象とした縦断的大規模コホート調査を実施
UNIVERSITYhttps://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2021/20220315meguroakira.html
17)公益社団法人 日本眼科医会:こんなにあるんだ「⽬の検査」 ④細隙灯顕微鏡
https://www.gankaikai.or.jp/press/detail2/__icsFiles/afieldfile/2024/01/25/20240125_2.pdf
18)日本眼科学会:コンタクトレンズ診療ガイドライン
https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/contact_lens2_5.pdf
19)一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会:こんな使い方をしたらダメ
https://www.jcla.gr.jp/safely/index.html
20)公益社団法人 日本眼科医会:コンタクトレンズ眼障害アンケート調査の集計結果報告
https://www.gankaikai.or.jp/contact-lens/report.html
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