コンタクトレンズの度数と視力の違いとは?眼鏡の度数との関係性も解説!
作成日: 2022/12/14 更新日: 2025/12/05

レンズ度数のマイナス(-)とプラス(+)とは?
レンズデータの1つである度数は、眼科医から処方されたコンタクトレンズ指示書(処方せん/処方指示書)や商品パッケージ(外箱や個包装のホイル)に記載されていますが、表記の仕方はPWR、POWER、P、D、SPHのように、メーカーや製品によって異なります。
マイナス(-)は近視矯正用、プラス(+)は遠視矯正用のレンズで、度数の入っていない ±0.00D(ジオプター:屈折の単位)を基準とし、そこから数値(絶対値)が大きくなるほど矯正する力が強くなる(度数が強くなる)ことを意味しています。例えば、-0.50Dと -2.50Dでは、-2.50Dのほうがより強い近視を矯正するレンズで、+2.00Dと+3.25Dでは、+3.25Dのほうがより強い遠視を矯正するレンズになります。
マイナスレンズとは
マイナスレンズは近視矯正用のレンズのことです。マイナスレンズには、目に入ってくる光を拡散させ、焦点距離を延ばすはたらきがあります。近視は、目に入ってきた光が網膜よりも手前で焦点を結んでしまう状態です。近視の人が目の状態に合った適切なマイナスレンズを使用すると、焦点が後方に移動し、網膜上で焦点を結ぶため、遠くのものがぼやけずに見えやすくなります。

プラスレンズとは
プラスレンズは遠視矯正用のレンズのことです。マイナスレンズとは逆で、プラスレンズには目に入ってくる光を集め、焦点距離を短くする働きがあります。遠視は、目に入ってきた光が網膜よりも後方で焦点を結んでしまう状態です。遠視の人が目の状態に合った適切なプラスレンズを使用すると、焦点が前方に移動し、網膜上で焦点を結ぶため、ぼやけずに見えやすくなります。

コンタクトレンズの度数表記について
近視矯正用レンズは「−」、遠視矯正用レンズは「+」で表され、数値(絶対値)が大きいほど近視や遠視を矯正する力が強くなります。
乱視用レンズには、CYL(円柱度数)とAXIS(円柱軸)の表記もあります。CYL値は大きいほど矯正する力が強く、AXISは屈折力を持たない円柱レンズの方向を角度で表したものです。
近視・遠視の度数表記
近視矯正用レンズの度数は、数字の前に「-」がつき、遠視矯正用レンズの度数は、数字の前に「+」がつきますが、これは、レンズの形の違いを表しています。
近視は焦点が網膜より手前にある状態、遠視は焦点が網膜より後ろにある状態なので、矯正するためのコンタクトレンズの形状も異なり、遠視は凸型(+)に、近視は凹型(-)に湾曲しています。
PWR -0.50Dと書いてある場合は近視の度数で、 -1.00Dのように数値(絶対値)が大きくなるほど、より矯正する力が強いレンズになります。
乱視用コンタクトレンズの度数表記
ものを見るときに、焦点が複数できてしまう状態を「乱視」といいます。
乱視用コンタクトレンズの度数には、円柱度数を表す「CYL(シリンダー値)」と円柱軸を表す「AXIS(アクシス)」があります。
例えば、ソフトコンタクトレンズのCYLの数値範囲は一般的に−0.75 / −1.25 / −1.75 / −2.25があり、数値(絶対値)が大きいほど矯正する力が強くなります。
度数と視力の関係性について
視力検査の数値とレンズ度数は、意味がまったく違います。
視力は、「C」の形をしたランドルト環を用いて、2つの点や線を見分ける力を数値化したものです。(例:0.1、1.0など)
小さな輪の切れ目が見えるほど視力がよい、ということになります。

レンズ度数は、レンズの屈折力(コンタクトレンズや眼鏡の矯正力)を示す数値で、「PWR(パワー)」や「D(ジオプター)」と表記されます。数値(絶対値)が大きくなるほど矯正する力が強くなります。
つまり、視力と度数は同じではなく、さらには、視力が同じでも必要な度数が異なる場合もあります。また、レンズ度数から視力、あるいは、視力からレンズ度数を正確に導き出すことはできません。
眼鏡とコンタクトレンズの度数の違い
眼鏡とコンタクトレンズは同じ度数を選んでよさそうに思いがちですが、必ずしも同じにはなるとは限りません。コンタクトレンズは目の上にレンズがぴったりとくっつくのに対し、眼鏡は目とレンズの間に平均12mmの隙間(目の表面から眼鏡レンズの内側までの距離)があるため、眼鏡とコンタクトレンズでは度数が異なることがあります。

「コンタクトレンズと眼鏡の度数は同じで大丈夫」と自己判断するのではなく、それぞれの処方に沿った度数を装用しましょう。
自己判断での度数選びは禁物
- 度数は自己判断で変更せず、見えにくさやいつもと違う感覚を覚えたら、眼科で検査してから買い替える
- 度数が合わないレンズを装用し続けると、目の疲れや目の奥の痛み、頭痛の原因になりえる
- 目の状態は加齢で変化するため、定期的に視力・度数をチェックする
度数は自己判断で変更しない
「最近、コンタクトレンズをしていても見えにくい」「視力が悪くなった」と感じたら、自己判断で度数を変えず、眼科で正しい度数を検査してもらった上で買い替えましょう。反対に「視力がよくなった」と感じたときも、同じく自己判断は禁物です。
自己判断によって度数の合わないコンタクトレンズを使用すると、目が疲れたり目の奥が痛くなったり、頭痛の原因になったりします。
定期的に視力・度数をチェックする
視力や度数は、検査した後に変わることがあります。加齢や目の疲れなどによる視力低下、目の病気などが原因として挙げられます。また、コンタクトレンズを問題なく装用できていると思っていても、見えない、感じないところでトラブルが起きていることがあります。ふだんコンタクトレンズを装用している場合は、医師から指示された期間ごとに定期検査を受け、その時点での自分の目にもっとも合うコンタクトレンズを処方してもらいましょう。
まとめ
マイナスレンズとプラスレンズの違いや眼鏡とコンタクトレンズの度数の違いなどについてご紹介しました。目の度数は変化するので、定期的に眼科を受診し、自分に合ったコンタクトレンズを装用するようにしましょう。












