コンタクトレンズの度数の見方は?計算方法や見方を写真付きで解説!
コンタクトレンズの度数とは何を意味しているのでしょうか。度数が強い人なら「コンタクトレンズは度数に限界があるの?」と気になったことがある人もいるのではないでしょうか?世の中にはさまざまな種類のコンタクトレンズがありますが、コンタクトレンズはどの程度の度数まで対応できるのでしょうか?この記事では、コンタクトレンズの度数や見方を、写真付きでご紹介します。
作成日:2024/11/13 更新日:2026/01/29

コンタクトレンズの度数とは?
度数とは、レンズの屈折力(光を曲げる力)を数字で表したものです。
近視、遠視、乱視を屈折異常といい、屈折異常があると、ものを見たときにピントが合わずにぼやけている状態になります。コンタクトレンズや眼鏡で目の屈折異常を矯正すれば、はっきりものが見えるようになります。
自分に合った度数は眼科の検査で知ることができますが、年齢などによって目の状態が変化し、度数が変わることもあるので、定期的に眼科での検査を受けましょう。
コンタクトレンズの度数表記の見方
コンタクトレンズの度数表記には、「PWR(パワー)」や「SPH(スフィア)」、SPHの略称「S」などがあり、いずれも度数を表しますが、製品によって表記が異なります。
度数の単位は、±0.00D(ジオプター:屈折の単位)が基準となり、数値(絶対値)が大きくなるほど、矯正する力が強くなります。近視矯正用レンズはマイナス(-)、遠視矯正用レンズは(+)で表します。
他に、コンタクトレンズの内面カーブの曲率半径(曲がり具合)「BC」や、遠くを見るための度数と近くを見るための度数差を表す「ADD POWER」、レンズの直径を表す「DIA」、コンタクトレンズを未開封の状態で保管した場合に使用可能な期限を示す「EXP」などの表記があります。
自分の目に適したレンズ度数は、医療機関の検査で分かります。
近視用と遠視用の度数表記の違い
「近視」は、遠くを見たときに焦点が網膜より手前にある状態を、「遠視」は焦点が網膜より後ろにある状態をいいます。
そのため、それぞれを矯正するコンタクトレンズの形状も異なり、遠視矯正用レンズは凸型(+)に、近視矯正用レンズは凹型(-)に湾曲しています。
遠視矯正用レンズの度数には数字の前に「+」が付き、近視矯正用レンズの度数には数字の前に「-」が付いています。
例えば、PWR -0.50Dと書いてある場合は近視矯正度数で、 -1.00Dのように数値(絶対値)が大きくなるほど、より矯正する力が強いレンズになります。
乱視用コンタクトレンズの度数表記
ものを見るときに、焦点が複数できてしまう状態を「乱視」といいます。
乱視用コンタクトレンズの度数には、円柱度数を表す「CYL(シリンダー値)」と円柱軸を表す「AXIS(アクシス)」があります。
例えば、ソフトコンタクトレンズのCYLには −0.75 / −1.25 / −1.75 / −2.25などの度数があり、数値(絶対値)が大きいほど矯正する力が強くなります。
コンタクトレンズの度数を確認する方法
自分に合う度数は、医療機関での検査で分かり、コンタクトレンズ指示書(処方せん)に記載されます。
販売店は、コンタクトレンズを処方せんに書かれた通りに販売しますので、処方せんか製品を見れば、自分の目に適したコンタクトレンズの度数を確認することができます。
処方せん(指示書)での確認方法
コンタクトレンズを購入するためには、眼科医が発行する処方せんが必要です。処方せんには、製品名や製品規格(ベースカーブ、度数、直径)など購入時に必要な情報が記載されています。
■コンタクトレンズ指示書(処方せん)の記載事項例*
- 患者氏名
- 販売名(製品名)/メーカー名
- 規格(ベースカーブ、球面度数、直径、円柱度数、円柱軸、加入度数、その他)
- 数量(使い捨て、頻回交換、定期交換では箱数、1箱のレンズ枚数等)
- 装用方法(終日装用、連続装用)
- 発行日
- 有効期限(眼科医の指示による)
- 医療機関名、医師名、連絡先、捺印
- その他、特にコンタクトレンズの取扱いで指導すべき注意事項など
*「コンタクトレンズの販売自主基準」日本コンタクトレンズ協会
パッケージでの確認方法
コンタクトレンズの度数は、製品の外箱やブリスターケースに必ず記載されています。

外箱とブリスターケースそれぞれに、D(頂点屈折力)、BC(ベースカーブ)、DIA(直径)が記載されています。
上記に加えて、乱視用の場合は、CYL(円柱度数)とAXIS(円柱軸)が、遠近両用の場合はADDがそれぞれ記載されています。
記載場所は、メーカーによって異なります。
目の屈折異常とは
屈折異常がある目とは、焦点の位置が網膜上にない状態です。その焦点を網膜上に移動させるための矯正に必要な屈折力の強さを「度数」で表します。
正視とは
目に入ってきた遠くからの光が、角膜(黒目)や水晶体で屈折し、網膜上に焦点を結ぶ状態です。遠くは鮮明に見えるため、矯正は不要です。

近視とは
目に入ってきた遠くからの光が、角膜や水晶体で屈折し、焦点が網膜の手前にある状態です。鮮明に見るためには網膜上に焦点を移動させる必要があり、矯正には目の屈折力を弱めてくれるマイナスレンズを使います。

遠視とは
目に入ってきた遠くからの光が、角膜や水晶体で屈折し、焦点が網膜の後ろにある状態です。網膜上に焦点を移動させるために、目の屈折力を補ってくれるプラスレンズを使い、矯正します。

コンタクトレンズと眼鏡の度数の違い
コンタクトレンズと眼鏡の度数は、必ずしも同じにはなるとは限りません。
コンタクトレンズは目の上にレンズがぴったりとくっつくのに対し、眼鏡は目と眼鏡レンズの間に平均12mmの隙間(目の表面から眼鏡レンズの内側までの距離)があるため、度数が異なる場合があります。

「コンタクトレンズと眼鏡の度数は同じで大丈夫」と自己判断するのではなく、それぞれ眼科医の処方指示に従って使用しましょう。
度数変換の目安と計算方法
眼鏡の度数をコンタクトレンズの度数目安に変換することができます。
度数変換の目安を知るための計算方法は、
コンタクトレンズ度数=眼鏡度数÷(1-0.012×眼鏡度数)
です。0.012は、眼鏡から目までの距離「12mm」で計算したときの値です。
ただし、度数変換計算方法はあくまでも参考ですから、コンタクトレンズも眼鏡も、眼科医の処方に沿った度数のものを使用しましょう。
コンタクトレンズの度数と厚みの関係は?
レンズはレンズ光学部の中心部と周辺部の厚みの差異が増すほど屈折力が強くなります。
プラスレンズでは中心を厚く、周辺を薄くすれば屈折力が強くなり、マイナスレンズでは周辺を厚く、中心を薄くすれば屈折力が強くなります。

その人を正視の状態にするために、どれくらいの屈折力をもったレンズが必要なのでしょう。厚さの異なるさまざまなレンズを用いて、最も視力が出る度数を調べるのが屈折検査です。
自分に必要な矯正度数を知る方法
自分の目に適したコンタクトレンズの度数は、眼科で検査・処方を受けることで分かります。眼科では、次の手順で検査・処方を行います。
1.問診
受診理由・ 装用歴・ 病歴・薬の服用歴・想定される装用環境などの確認
疾患の既往やアレルギー疾患の有無を確認
2.検査
他覚的屈折検査、自覚的屈折検査、涙液状態の検査、眼圧検査
3.診察
目の健康状態の確認
細隙灯顕微鏡検査など、コンタクトレンズを装用しても問題ない目であるかを眼科医が確認(目の表面の傷、結膜の状態、涙液の状態)。必要に応じて詳しい検査を行う場合も。
4.レンズの選択
トライアルレンズ装用後に、眼科医によるフィッテイング検査をおこなう。
(トライアルレンズで視力検査 ➡ 必要に応じて追加矯正 ➡ 度数の決定 )
5.取り扱い指導
装用練習
*眼科によって検査の順番や内容が異なる場合があります
コンタクトレンズの度数は、処方せんや製品の外箱やブリスターケースに必ず記載されています。


乱視用にはCYLとAXIS、遠近両用には ADDも記載されています。
視力検査と度数の関係性
視力検査の数値と矯正に必要なレンズの度数は、それぞれ意味が異なります。
視力検査は、「C」の形をしたランドルト環を用いて、どれくらい小さな視標(環)の切れ目が判別できるかを調べ、数値化します。(例:0.1、1.0など)
視力検査の数値=矯正度数ではないので、同じ視力でも必要な矯正度数が異なる場合があります。また、矯正度数から視力、あるいは、視力から矯正度数を正確に導き出すことはできません。
コンタクトレンズの限界
厚みの限界
眼鏡の場合、ある程度強い度数でも対応できますが、その分、レンズが重くなって肩が凝ったり、視野が限られてしまったり、という事が考えられます。
そのため、マイナスレンズではレンズの周辺部分を取り除きフレームを小さくする、レンズの材質を変えて薄くする、などの技術が使われます。
コンタクトレンズの場合、度数が強くなってもレンズそのものは厚くなりませんが、屈折度数を調整する部分(光学部)は厚みのつけかたが変わります。
基本的に、通常想定される目の屈折異常の程度(近視・遠視や乱視の強さ)には対応できます。
コンタクトレンズは眼鏡と違い、オーダーメイドではなく、「市場にある製作範囲の中から度数を選ぶ」ことになりますので、製造できるかどうかとは別に、「自分の目に合った度数が製作範囲にない」、ということは起こり得ます。
眼科ではその点も併せて、自分に合った製品を選択してくれます。
度数の限界
眼鏡の場合、強い度数になると周辺部の視界が歪んでしまいますが、コンタクトレンズでは歪みが軽減できます。
一方で、コンタクトレンズは分厚くなると酸素透過性が低下します。コンタクトレンズメーカーは酸素透過性も考慮して製品を開発しています。
アキュビュー® の場合、主な使い捨てコンタクトレンズの製作範囲は、近視矯正用のマイナスレンズが「-12.00D」まで、遠視矯正用のプラスレンズが「+5.00D」までです。
コンタクトレンズの度数を強くしすぎてはいけない理由
「少しでもハッキリ見えたほうがいいだろう」と、本来よりも強い度数のコンタクトレンズを買いたいと思う人もいるかもしれませんが、合わない矯正度数のコンタクトレンズを装用すると、かえって見えにくい状態になってしまいます。
コンタクトレンズの度数は強ければ快適に見える、というわけではありません。
適切な度数でコンタクトレンズを購入するポイント
適切な度数でコンタクトレンズを購入するためのポイントを紹介します。
- 必ず眼科で検査を受けて、自分に合うコンタクトレンズの度数を処方してもらいましょう
- 処方せんに基づいて製品を購入しましょう
- 眼鏡とコンタクトレンズの度数は異なる場合があるので、コンタクトレンズを希望する際は、コンタクトレンズ用の検査を受けましょう
- 視力や目の状態は変化するので、定期的に検査を受けましょう
度数の合わないコンタクトレンズを使用すると、目が疲れたり目の奥が痛くなったり見えにくくなったりします。コンタクトレンズが合わないときは、眼科を受診して度数が適切か調べてもらいましょう。
度数が合わない時の症状と対処法
度数は、強すぎても弱すぎても見えにくく、見えにくい状態が続くと、体の不調につながります。
例えば、目の疲れや肩こり、頭痛、吐き気などが起きやすくなります。
自己判断で度数を調整せず、眼科で再検査してもらいましょう。
自己判断での度数選びは禁物
コンタクトレンズを快適に装用するために、以下の4つのポイントに注意して購入しましょう。
- 度数が合わないレンズを使用した際のリスク
- 定期的な視力検査が必要
- 加齢で近くが見えなくなってきたら遠近両用コンタクトレンズの使用も検討
- カラーコンタクトレンズでも眼科検診が必要
度数が合わないレンズを使用した際のリスク
度数が合わないコンタクトレンズを使い続けると、頭痛などの症状につながりやすくなります。コンタクトレンズが合わないと感じたときは、眼科を受診して度数が適切か調べてもらいましょう。
特に10〜20代の若い方や40歳以上の方は、見え方が変化しやすいので、定期的な検査をおすすめします。検診の頻度については、眼科医にご相談ください。
定期的な視力検査が必要
コンタクトレンズを問題なく装用できていると思っていても、見えない、感じない場所にトラブルが起きていることがあります。
例えば、角膜に傷がついても、傷が小さくて痛みもなければ気づかないため、知らないうちに傷口から感染し、激しい痛みや充血、まぶしさなどの症状があらわれ、重い眼障害になってしまうことがあります。
角膜の傷は、レンズ汚れが原因の一つです。日頃からコンタクトレンズをケアしましょう。合わせて、定期的に検査を受けてトラブルを早めに見つけることが、目の健康維持につながります。
また、目の状態は加齢とともに変化するため、視力矯正に必要なコンタクトレンズの度数も変化することがあります。その意味でも定期検査は重要です。
加齢で近くが見えなくなってきたら遠近両用コンタクトレンズの使用も検討
20代・30代までは、水晶体が柔軟でさまざまな距離のピント調整がスムーズにできるため、多くの人は近くから遠くまでを自然に見ることができます。
しかし、水晶体は加齢によって次第に硬くなり、厚みを増しにくくなります。その結果、調節力が低下して「近点(ピントが合う最も近い距離)」が徐々に遠ざかります。
すると、40代頃から「近くが見えづらい」「ピントが合うまで時間がかかる」と感じるようになります。これが「老眼」の自覚です。
老眼によって近くが見えづらくなると、生活でストレスを感じやすくなり、眼精疲労にもつながります。見え方に変化を感じたら、眼科で視力を確認するとともに、老眼鏡や遠近両用レンズの使用を検討しましょう。
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カラーコンタクトレンズでも眼科検診を
雑貨店でも販売され気軽に買えるイメージのカラーコンタクトレンズ(カラコン)ですが、カラコンは透明レンズと同じ「高度管理医療機器」です。
度数があるカラコンはもちろん、度数がないカラコンでも、目に直接装用する医療機器であることに変わりはありません。購入前に眼科で検査を受けることをお勧めします。
また、カラーコンタクトレンズの度数も眼鏡の度数と異なる場合があります。眼科で診察を受けて、目の健康状態や度数、正しい装用方法を確認し、安全に使用しましょう。
関連リンク:ご存じでしたか?カラーコンタクトレンズの安全性
まとめ
コンタクトレンズの度数は、強すぎず、弱すぎず、ご自分の目の状態に合った適切な度数のものを使用する必要があります。そのため、眼科医による検査を受け、指示に従って使用しましょう。
もし見え方に違和感を覚えたり、もっと度数を上げたりしたほうがよいのではないか、と思った場合も、まずは眼科医に相談するようにしましょう。
<参考資料>
- 前田 直之 他:「新篇眼科プラクティス 9 必読! コンタクトレンズ診療」 第1版 文光堂, 2023







