乱視

乱視は矯正した方がいい?矯正方法やよくある疑問をご紹介

みなさんはご自身の目に乱視があるかどうかをご存じですか?実は、程度はさまざまですが乱視はほとんどの人にある、といわれています1)。

何となく見えづらいと感じるその原因は乱視かもしれません。

この記事では、乱視による見えにくさを感じている方や、検査で乱視を指摘された方に向けて、乱視の原因、矯正が必要となる場合、主な矯正方法をわかりやすく解説します。

作成日:2022/12/15 更新日:2026/10/08

乱視用コンタクトレンズ 製品一覧

乱視は矯正した方がいい?矯正方法やよくある疑問をご紹介

この記事のポイント

  • 角膜や水晶体の形状などによって光の屈折が方向ごとに異なり、焦点が一点に集まらない状態を乱視といいます。
  • 主な矯正方法には眼鏡、コンタクトレンズ、屈折矯正手術があり、トレーニングなどで乱視を自力で改善する方法は確立されていません。
  • 軽度の乱視では必ずしも矯正が必要とは限りませんが、見えにくさや目の疲れが続く場合は、眼科で検査を受け、自分の目や生活スタイルに合う矯正方法を相談しましょう。
近視、遠視、乱視の違いとは?

近視、遠視、乱視の違いとは?

乱視用コンタクトレンズ 製品一覧

 

人がものを見るためには、目に入る光が角膜(黒目)や水晶体(目の中のレンズ)を通過します。そして、目の中でスクリーンの役割をする網膜上で1つに集まる必要があります。

 

このように、目に入った光が一点に集まる位置を焦点といいます。焦点ができる位置や集まり方によって、目の状態は次の四つに分けられます。

 

  • 正視:焦点が網膜上にある状態です。
  • 近視:焦点が網膜より手前の1カ所に集まっている状態です。
  • 遠視:焦点が網膜の後ろ側の1カ所に集まっている状態です。
  • 乱視:正乱視では、角膜や水晶体がラグビーボールのように一定方向に歪み、焦点が一点に集まらない状態です。

 

近視、遠視、乱視はいずれも「屈折異常」ですが、光の焦点が合う位置や集まり方が異なるため、見え方にも違いがあります。「ぼやける」「ぶれる」「二重に見える」など、感じ方は人によってさまざまです。

正視の目 近視の目 遠視の目 乱視の目 イメージ図
乱視の原因って何?

乱視の原因って何?

乱視は、角膜や水晶体がラグビーボールのように歪むことで起こります。正乱視では、光が網膜上の1点に集まらず、焦点が2つに分かれます。

 

乱視には大きく分けて「正乱視」と「不正乱視」の2種類があります。

 

「正乱視」は、角膜や水晶体が一定方向に歪んでいるため、焦点が1つになりません。単なる「乱視」というときは、この「正乱視」を指すことが多いです。

乱視がない人の角膜 乱視がある人の角膜

一方、「不正乱視」は、角膜や水晶体が不規則に歪むことで起こります。角膜がでこぼこになったり、円錐状に突出したりすると、光の屈折が不規則になって像がぶれて見えます。不正乱視は、主に病気や外傷によって生じます。

 

不正乱視では光の屈折が不規則になるため、眼鏡やソフトコンタクトレンズでは十分に矯正できないことがあります。角膜の不規則な歪みによる不正乱視では、程度によってハードコンタクトレンズが適応となる場合があります。

 

正乱視は眼鏡やコンタクトレンズで矯正できます。一方、不正乱視は眼鏡やソフトコンタクトレンズでは矯正できません。角膜の不規則な歪みによる不正乱視の場合、程度によってはハードコンタクトレンズが適応となります。

正乱視 不正乱視
どんな矯正方法がある?

乱視は矯正した方がいい?どんな矯正方法がある?

乱視を矯正した方がいいかどうかは、目の状態や生活スタイルによって異なります。見えにくさや目の疲れがある場合は、矯正の必要性を確認することが大切です。

 

乱視が適切に矯正されていないと、見え方が悪くなったりするだけでなく、眼精疲労を引き起こす原因になる可能性もあります。

 

トレーニングなどによって乱視を自力で改善する方法は、確立されていません。

【矯正方法の比較表】
矯正方法
特長
注意点
眼鏡
・幅広い度数に対応
・オーダーメイドで作る
・天候や温度、湿度でレンズがくもることがある
・ヘルメットやゴーグルを使うときに不便を感じることがある
・左右の屈折異常の差が大きい場合は対応できないことがある
コンタクトレンズ
・眼鏡に比べてフレームの制限を受けないため、視野が広くなる
・サングラスを自由に使え、環境の変化によるレンズのくもりもない
・左右の乱視の程度に差があっても、比較的見え方に影響を受けにくい
・高度管理医療機器のため、正しい取り扱いと衛生管理が必要
・装用できない場面に備えて、眼鏡を必ず持っておく必要がある
屈折矯正手術(レーシック など)
・条件を満たせば、眼鏡やコンタクトレンズのつけ外しから解放され、裸眼で生活ができるようになる
・手術に伴う合併症のリスクは皆無ではない
・老眼が始まる40代以降は、眼鏡やコンタクトレンズの使用がまた必要になる場合がある

乱視は主に角膜や水晶体の歪みによって起こります。両者の歪みは互いに打ち消し合う場合もあれば、強め合う場合もあり、その結果として目全体に残る乱視を眼鏡やソフトコンタクトレンズで矯正します。

 

一方、屈折矯正手術などで角膜の形を変えて矯正を行う方法もあります。

 

以下に、代表的な矯正方法とそれぞれの特長、注意点をご紹介します。

 

1)眼鏡による矯正

 

眼鏡による矯正は一般的で、比較的簡便に取り扱うことができます。乱視に限定せず、屈折異常の矯正において基本的な方法です。

 

メリット

  • 幅広い度数に対応できます。
  • オーダーメイドで作ることができます。

 

デメリット

  • 天候や温度、湿度によってレンズがくもってしまうことがあります。
  • ヘルメットやゴーグルを使用するシーンでは不便を感じることもあります。
  • 乱視を含めて左右の目で屈折異常の程度に大きな差がある場合は、眼鏡で対応できないことがあります。
乱視を矯正(円柱レンズ)した場合の状態

2)コンタクトレンズによる矯正

 

コンタクトレンズによる矯正には、眼鏡とは異なる特長と注意点があります。

 

メリット

  • 眼鏡に比べてフレームの制限を受けないので、視野が広くなります。
  • サングラスを自由に使用できます。
  • 環境変化によるレンズのくもりなどのわずらわしさがありません。
  • 左右の乱視の程度に差があった場合でも、比較的見え方に影響を受けにくいです。

 

デメリット

  • コンタクトレンズは目に直接のせる高度管理医療機器です。装用前に目の状態やレンズを正しく取り扱えるかを確認し、適切な使用方法を守る必要があります。
  • 使用する方ご自身の正しい衛生管理も必要です。間違った使用をしてしまった場合、目のトラブルの原因になります。
  • 目の異常、レンズの紛失、ケア用品を用意できない状況など、コンタクトレンズを装用できない場合に備える必要があります。そのため、外出時にも眼鏡を携帯しましょう。

 

不正乱視の場合、眼鏡やソフトコンタクトレンズでは矯正できません。ただし、角膜の不規則な歪みによる不正乱視であれば、ハードコンタクトレンズで矯正ができることがあります2)。

 

ハードコンタクトレンズでは、レンズと角膜の間にできる涙の層が「涙液レンズ」として働き、角膜のでこぼこによる屈折の乱れを補います。

不正乱視の矯正

就寝時に専用のハードコンタクトレンズを装用し、睡眠中に角膜の形状を一時的に変化させることで、日中の裸眼視力を補う方法をオルソケラトロジーといいます。

 

最大の魅力は、日中を裸眼で過ごせることです。ただし、適応には限界があり、感染症などのリスクも完全に排除できるわけではありません3)。

オルソケラトロジーに​よる​矯正 イメージ図

さらに、オルソケラトロジーは全ての人に適用できるわけではなく、使用には一定の条件があります。興味がある場合は、自己判断せず眼科医に相談しましょう。

 

関連記事リンク:乱視用コンタクトレンズの仕組みを解説。種類・選び方のポイントと快適に使うための注意点

 

3)屈折矯正手術(レーシック など)による矯正

 

屈折矯正手術の代表的なものにレーシックがあります。レーシックは、レンズの役割をしている角膜の一部にレーザーを当てる方法です。角膜を削り取って角膜の屈折力を変えることで矯正します。

 

ただし、レーシックにも適応があります。18歳以上であることや、手術に適した目の状態であるかなどの条件を満たせば、近視と乱視を同時に矯正することができます4)。

 

メリット

  • 眼鏡やコンタクトレンズのつけ外しから解放されます。
  • 裸眼で生活ができるようになります。

 

デメリット

  • 手術なので、それに伴う合併症のリスクは皆無ではありません5)。
  • 老眼が始まる40代以降は、眼鏡やコンタクトレンズの使用がまた必要になる場合があります4)6)。

 

レーシックを検討する際は、目の状態や年齢、生活スタイルなどの適応条件を確認する必要があります。

 

乱視の矯正方法にはそれぞれ適応条件があり、乱視の程度や目の状態、年齢、職業、生活スタイルなどを踏まえて選ぶ必要があります。

 

適応条件やそれぞれの特長を比較したうえで、自分に合う方法を検討しましょう。

ソフトコンタクトレンズによる矯正

ソフトコンタクトレンズによる乱視矯正

乱視の矯正は、眼鏡以外にコンタクトレンズで行うこともできます。乱視を矯正するには、乱視矯正用の度数のほか、乱視の目がもつ乱視の方向と矯正レンズの軸を合わせる必要があります。

 

眼鏡ではレンズがフレームに固定されているため、レンズが回転することはありません。一方、ソフトコンタクトレンズは目の上で回転してしまいます。

 

軸がずれると乱視を正しく矯正できなくなります。そのため乱視用ソフトコンタクトレンズには、目の上で回転しないようなデザインが施されています。

 

また、乱視のある方は近視や遠視を併せ持つことが多いため、乱視用ソフトコンタクトレンズは、一般に近視や遠視と乱視の両方を矯正できるよう設計されています。

 

乱視用コンタクトレンズに興味がある方は、眼科医に相談し、自分の目に合った製品を処方してもらいましょう。

 

アキュビュー® 乱視用コンタクトレンズ製品一覧

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乱視度数(CYL)や乱視軸(AXIS)は検査や処方に基づいて決まります。必ず眼科で検査・処方を受けてください。

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ワンデー アキュビュー® オアシス® MAX 乱視用
乱視に関するよくある疑問

乱視に関するよくある疑問

Q.乱視の矯正はいつから始めればいい?

 

A.乱視を矯正するタイミングは、検査で乱視があるとわかり、眼科医が乱視矯正すべきと判断したときです。

 

生まれつき強い乱視がある場合、視覚の発達に影響を与える可能性があります。

 

  • 乳幼児期:乳児や幼児の場合は、乱視があってもそれを訴えることができません。自治体で行われる3歳児健診などを受け、早期発見、早期治療を行うようにしましょう。
  • 学童期:本人が視力低下を自覚する場合に加え、学校健診で視力低下を指摘されることがあります。眼科で原因が近視や乱視などの屈折異常だとわかった場合に、乱視を含めた矯正の必要性を検討することが一般的です。
  • 成人期:見えにくさや目の疲れなどの自覚症状が、矯正を検討するきっかけになります。

 

子ども、成人にかかわらず、異常を疑った場合は早めに眼科を受診しましょう。

 

Q.子どもの乱視に気づくためのサインはある?

 

A.子どもは見えにくさをうまく訴えられないことがあります。目を細める、顔を傾けて見る、テレビや本に近づく、片目を隠す、目が疲れやすそうに見えるなどの様子が続く場合は、眼科に相談しましょう。乳幼児健診や学校健診も、屈折異常を見つける大切な機会です。

 

Q.自分が乱視であるかどうかは、どうしたらわかる?

 

A.乱視であるかどうかを確認する最も確実な方法は、眼科で診断を受けることです。

眼科では、屈折検査で屈折異常の程度を調べます。そのため、屈折異常のうち乱視がどの程度あるのかを確実に知ることができます。

 

一般的な乱視の見え方には、次のようなものがあります。

  • ものがぼやけて見える
  • 夜間など暗い場所でぼやけが悪化する
  • 長時間の読書やPC作業後に目が疲れやすい

 

これらの症状がある場合でも、その見え方に慣れていると、見えにくさを自覚しにくいことがあります。ただし、同じ症状は乱視以外の原因でも起こるため、症状だけで乱視と判断することはできません。

 

これらの症状が続く場合は、見え方の原因を確認するために検査を受けることを検討しましょう。

 

関連記事リンク:乱視の診断に必要な検査方法とは?

 

Q.乱視でも目を細めると見える場合は、矯正しなくてもいい?

 

A.乱視の程度によっては、目を細めることで一時的に見えやすくなる場合があります。ただし、これは目に入る光の範囲を狭めてぼやけを軽減しているだけで、乱視そのものを矯正しているわけではありません。

 

目を細めることで一時的に見えやすくなる場合がありますが、根本的な矯正にはなりません。日常的に目を細めて見ている場合は、見え方に合った矯正が必要か確認しましょう。

 

Q.乱視は自然に治るの?

 

A.乱視は角膜や水晶体の歪みが原因です。その形状が加齢による生理的変化などに影響を受け、症状が変化することはあります。

ただし、乱視が自然に治ることは一般的ではありません。

 

Q.乱視用コンタクトレンズと通常のコンタクトレンズは何が違う?

 

A.乱視用コンタクトレンズは、近視などの度数に加えて、乱視を矯正する度数と方向を合わせられるよう設計されています。また、まばたきなどでレンズが回転して矯正軸がずれないよう、目の上でレンズの向きを安定させる工夫が施されています。

 

Q.乱視用コンタクトレンズを使っても見えにくい場合はどうすればいい?

 

A.レンズの度数や乱視の方向が目に合っていない場合や、目の上でレンズの向きが安定していない場合があります。レンズを外し、見えにくさが続く場合は自己判断で度数を変更せず、眼科でレンズと目の状態を確認してもらいましょう。

 

Q.乱視用コンタクトレンズと眼鏡はどう使い分ければいい?

 

A.眼鏡とコンタクトレンズには、それぞれ異なる特長と注意点があります。目の状態、乱視の程度、年齢、職業、装用時間、生活スタイルなどを踏まえて選びましょう。また、コンタクトレンズを装用できない場合に備え、眼鏡も用意しておくことが大切です。

 

Q.乱視は夜になると見えにくくなる?

 

A.乱視があると、夜間や暗い場所で光がにじんだり、ぼやけが強くなったりすることがあります。ただし、見えにくさの原因が乱視とは限りません。症状が続く場合や日常生活に支障がある場合は、眼科を受診し、原因を確認することが大切です。

 

Q.乱視を矯正せずに放置するとどうなる?

 

A.軽度の乱視では必ずしも矯正が必要とは限りませんが、見えにくさを我慢していると、目の疲れや頭痛などにつながる場合があります。また、子どもの強い乱視は視覚の発達に影響する可能性があります。矯正の必要性は、乱視の程度や症状によって異なります。

 

Q.どのような症状があれば眼科を受診した方がいい?

 

A.ものがぼやける、二重に見える、目を細めることが多い、夜間に見えにくい、目の疲れが続くなどの症状がある場合は、眼科の受診を検討しましょう。急な見え方の変化や強い目の痛みなどがある場合は、速やかに眼科を受診してください。

 

Q.乱視は年齢とともに進行する?

 

A.乱視の程度や方向は、角膜や水晶体の加齢による変化、目の病気、外傷などによって変化することがあります。見え方が以前と変わった場合は、眼鏡やコンタクトレンズの度数だけが原因とは限りません。

 

Q.乱視があっても車を運転できる?

 

A.必要な視力基準を満たし、適切に矯正されていれば運転できる場合があります。ただし、乱視の程度や矯正状態によっては、遠くの標識がぼやけたり、夜間に光がにじんだりして運転時の見え方に影響します。基準を満たしていても見えにくさを感じる場合は、眼科で相談しましょう。

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まとめ

まとめ

乱視は、程度の差こそあれ、ほとんどの人にみられる一般的な状態です。ごく軽度の場合は必ずしも矯正が必要とは限りませんが、その判断には眼科での検査が必要です。

 

乱視による見えにくさを我慢していると、目の疲れや頭痛などにつながる場合があります。

 

矯正が必要かどうか、また、どの矯正方法が適しているかは、乱視の程度や目の状態、年齢、職業、生活スタイルによって異なります。見えにくさや目の疲れが続く場合は、眼科で検査を受け、眼科医に自分の生活スタイルに合う矯正方法を相談しましょう。

<参考資料>

1) 公益社団法人 日本眼科医会「屈折異常と眼精疲労」
https://www.gankaikai.or.jp/health/28/index.html

2)大橋 裕一 編:「専門医のための眼科診療クオリファイ6 コンタクトレンズ自由自在」中山書店, 2011

3) 日本コンタクトレンズ学会オルソケラトロジーガイドライン委員会: オルソケラトロジーガイドライン(第2版)日眼会誌, 2017

4) 屈折矯正手術のガイドライン(第8版)日本眼科学会屈折矯正委員会, 日眼会誌 128:135, 2024
https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/refractivesurgery_8.pdf

5) 小林 義治 他 編:「視能学」(第3版)文光堂, 2022

6) 公益財団法人 日本眼科学会
https://www.nichigan.or.jp/

製品情報

ワンデー アキュビュー® オアシス® MAX 乱視用

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